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プロ通訳者の方からのご推薦です。

 通訳の現場ではいつも日本人クライアントの意図を漏らすことなく英語で表現することを最優先してしまうことが多く、 英語の発音という観点から自分のパフォーマンスを見ると、segmentals(一つ一つの母音や子音)よりもsuprasegmentals (intonation, rhythm, stress)に気を配り、全体的なデリバリーの完成度でその日の仕事の評価や振り返りをよくしていました。

 また、仕事柄、シャドーイングやシンクロリーディングをすることが多く、英語の発音をひとつひとつ意識しながら、というよりも、 「英語の流れ」に沿ってネイティブのモノマネのように発音していました。
それぞれの音を作る口の中の断面図 diagram を見ながら自分で英語発音の練習もしてみましたが、これといった効果もなくまた正しく発音できているのかいつも不安でした。

 帰国子女でもなく、また留学経験もない私にとって英語の母音や子音の「正しい発音」はとにかくモノマネだったわけですが、 この『3万人の心をつかんだ栗本先生が教える英語発音』を読んで、体系的に英語の発音を、ネイティブに頼らずとも (バカみたいにモノマネばかりすることなく)習得することができるのだと、英語学習者としてはまさに「目からうろこ」の体験でした。

特に、母音の説明での「アの仲間、集合!」はその分かり易い発音方法に、なるほど、なるほど、と感心するばかりでした。 本の中でも書かれていましたが、どうしても日本人英語学習者は(私も含め)ひとつの「ア」の音ですべて英語の「ア」を発音してしまう傾向にあると思います。 またはモノマネでそれっぽく発音しているだけ、という人が多いと思いますが、この本では英語の音を出す前の口の形まで体系的に細かく教えてくれます。 「指一本入るくらい口を開き」「口の中にゆで卵を1つ入れている感じで」など説明文が非常に明瞭で、自信をもってその音が出せるようになります。 また、日本人英語学習者に苦手な音のひとつである鼻音を「鼻音3兄弟」とくくり、明快に説明している箇所も自分の発音矯正にかなり役立ちました。

 “You can’t teach old dog new tricks.” とよく言いますが、この本の通り発音を練習すれば、誰でも何歳からでも英語の発音が上手くなるばかりか、 リスニング力向上にもつながると思います。 本の中で、あいまい母音のschwaも丁寧に取り上げていてストレスのない母音がどのような音になるのか説明してくれています。 英単語をすべてカタカナで発音しようとする学習者にとってこのschwaを意識することは、英語の聞き取りに大いに役立つ大切な情報です。

 この『3万人の心をつかんだ栗本先生が教える英語発音』を読んでから、発音に自信を持て、通訳のパフォーマンスも自信を持ってクライアントに提供できるようになりました。 EFL(English as Foreign Language)の環境で英語学習する日本人にとって「聞き流す」だけでは英語を本格的に習得できません。 「意識」してその音に耳を傾け、どうして自分には聞こえないのか分析する必要があります。

この本はそんな気づきを与えてくれる素晴らしい本です。

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